飲食店を閉めるときの処分方法|店の中身を8つに分けると、行き先と頼む相手が決まる

閉店が決まると、店の中のものを全部どこかへ出さなければなりません。厨房機器、テーブルと椅子、食器、残った食材とお酒、休憩室の冷蔵庫、看板、そしてごみ。

ひとつずつ調べ始めると、品目ごとに「売れる」「返す」「回収が要る」「業者に委託して捨てる」と行き先が違い、関係する法律も違うことに気づきます。全部をまとめて「処分」と考えるから、どこから手をつければいいか分からなくなります。

この記事は、店の中身を8つに分けて、それぞれの行き先・頼む相手・残す書類を1枚の地図にしたものです。各品目の詳しい話は、地図からそれぞれの記事へ進んでください。

先に地図:8つの区分と行き先

区分主なもの行き先頼む相手
① 自分の厨房機器コンロ・フライヤー・作業台・シンク・食洗機売る → 譲る → 引き取り → 委託して廃棄買取業者・廃棄物の許可業者
② リース・レンタル品リースの厨房機器・貸与のショーケースや冷蔵庫返す(売れない)リース会社・貸主(メーカー等)
③ 冷媒にフロン類を使う業務用機器業務用冷蔵庫・製氷機・業務用エアコン・ショーケース売れなければ、フロンを回収してから廃棄買取業者/第一種フロン類充塡回収業者
④ 家庭用の家電休憩室の家庭用冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビ家電リサイクル法で引き渡す購入した小売店など
⑤ 客席と什器テーブル・椅子・ソファ・棚売る → 委託して廃棄買取業者・許可業者
⑥ 食器・グラス皿・グラス・カトラリー売る → 委託して廃棄買取業者・許可業者
⑦ 食材とお酒在庫食材・未開封の酒使い切る・酒は免許のある相手へ・廃棄酒販店・酒類の買取業者
⑧ 内装・看板・ごみ造作・看板・生ごみ・段ボール・廃プラ居抜きで引き継ぐ/原状回復で撤去・ごみは区分して委託貸主・工事業者・許可業者

順番の原則はひとつです。売れるかもしれないものを、捨てる手配より先に査定に出す。 一度処分に回したものは戻りません。

① 自分の厨房機器:売る → 譲る → 引き取り → 廃棄

自分が所有している厨房機器の出口は、売る(買取)・譲る(個人売買・知人の開業者)・引き取ってもらう・委託して廃棄する、の4つです。上から順に試し、値段が付かなかったものだけを下へ回します。

中古品を買い取る事業者には、古物営業法第3条の許可(都道府県公安委員会)が要ります。買取を頼むときは、許可番号が表示されているかを確かめてください。業者の選び方は閉店時の買取業者はどう選ぶかにあります。

② リース・レンタル品:売れない。まず「誰の物か」を確かめる

リース中の機器や、メーカー・問屋から貸与されている冷蔵庫・ショーケースは、店の物ではありません。 売ることも、勝手に捨てることもできません。返却か、残債の精算かを、契約先と決めます。

処分の段取りを始める前に、全部の機器について「自分の物か」を確かめるのが最初の一手です。所有が分からない機器が混ざったまま査定や撤去を始めると、あとで止まります。

③ 冷媒を使う業務用機器:捨てるならフロンの回収が先

業務用の冷蔵庫・冷凍庫・製氷機・ショーケース・業務用エアコンのうち、冷媒としてフロン類が充塡されているものは、フロン排出抑制法の「第一種特定製品」です(同法第2条第3項)。冷媒は銘板に書かれています。ノンフロン(自然冷媒)の機器は、この法律の回収義務の対象ではありません。廃棄するときは、第一種フロン類充塡回収業者にフロン類を引き渡す必要があります。

回収が終わると、充塡回収業者から「引取証明書」が交付されます。廃棄する側(店)は、回収依頼書(または委託確認書)の写しと引取証明書を3年間保存します(環境省 フロン排出抑制法ポータル「機器の廃棄」)。

もちろん、まだ動く機器なら先に査定に出します。売れれば、フロンの回収費用もかかりません。

④ 家庭用の家電:店で使っていても家電リサイクル法

休憩室やバックヤードで使っていた家庭用の冷蔵庫・洗濯機・エアコン・テレビは、事業所で使っていても家電リサイクル法の対象です(経済産業省 家電リサイクル制度FAQ「家庭用機器であれば、事業所で使用されている場合であっても、家電リサイクル法の対象です」)。購入した小売店などに引き取りを頼み、リサイクル料金と収集運搬料金を払って引き渡します。

逆に、業務用の機器は家電リサイクル法の対象外です。店舗用のショーケース・冷凍ストッカー・製氷機などは業務用として扱われます(家電製品協会 家電リサイクル券センター)。こちらは③の扱いになります。

「家庭用か業務用か」は見た目では迷うことがあります。銘板のメーカー名・型番で確かめてください。

⑤ 客席と什器、⑥ 食器・グラス:厨房機器とは値の付き方が違う

テーブル・椅子・棚や、食器・グラスにも値が付くことがあります。ただし、厨房機器とは値の付き方がまったく違い、数がそろっているか・運び出せるかで決まりやすい品目です。

値が付かなかったものは、廃棄物として委託して処分します(⑧のごみの区分を参照)。

⑦ 食材とお酒:お酒は「売る相手」に注意

食材は、閉店日に向けて仕入れを絞って使い切るのが基本です。残ったものは、事業ごみとして区分して出します。

お酒は、売り方に注意が要ります。 酒税法第9条は、店の中で飲ませる飲食店の営業を酒類の販売業免許の対象から外していますが、店の外で飲まれる前提で継続して売るには販売業免許が必要です(国税庁の解釈通達は、販売業を「酒類を継続的に販売すること」とし、営利目的か、相手が特定か不特定かを問わないとしています)。閉店在庫をまとめて手放すときは、酒類販売業免許を持つ酒販店や買取業者に引き取ってもらうのが確実です。

⑧ 内装・看板・ごみ

内装と造作:居抜きで引き継ぐか、撤去して返すか

内装や造作は、居抜きで次の借り手に引き継げば撤去しなくて済む場合があります。引き継げないときは、原状回復工事で撤去します。どちらが得かは、契約と物件の条件で変わります。

看板

袖看板・屋上看板などの撤去は、高所作業や道路使用の手続きが絡むと費用が跳ねます。契約書で撤去の範囲を先に確かめてください。詳しくは閉店で見落とされるのが看板です。

ごみ:区分は法律で決まり、出し方は自治体で決まる

事業活動で出たごみは、家庭ごみの収集には出せません。 事業者は、事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任で適正に処理しなければならない、とされています(廃棄物処理法第3条)。

そのうえで、産業廃棄物か事業系一般廃棄物かの区分は、法律(廃棄物処理法第2条第4項と施行令第2条)で決まります。 自治体によって違うのは、出し方・収集のルール・許可業者です。

出るもの区分の目安
廃プラスチック類・金属くず・ガラスくず・陶磁器くず事業活動に伴うものは、業種に関係なく産業廃棄物
フライヤーなどの使用済みの油(廃油)事業活動に伴うものは、業種に関係なく産業廃棄物
店の営業で出た生ごみ・紙くず(段ボールなど)事業系一般廃棄物(飲食店は、紙くず・木くず・動植物性残さが産業廃棄物になる業種に当たらない)
内装の解体工事で出た木くず・紙くず建設業に係る産業廃棄物(工事業者が排出事業者になる)

産業廃棄物を許可業者に委託するときは、店側(排出事業者)がマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付し、写しを交付日から5年間保存します(廃棄物処理法第12条の3)。業者を選ぶときは、「マニフェストでの委託に応じるか」を確かめてください。

処分する順番

品目ごとの行き先が分かったら、次は順番です。

  1. 全部の機器について「自分の物か」を確かめる(②)。リース・貸与品を分けておく
  2. 売れるかもしれないものを、まとめて査定に出す(①③⑤⑥)。写真と銘板の情報をそろえておくと早い
  3. 電気・ガス・水道は止めずにおく。 動作確認ができないと値が下がり、原状回復の工事もできなくなります(飲食店の閉店で電気・ガス・水道はいつ止める?)
  4. 売れたもの・返すものを搬出する
  5. 残ったものを、区分ごとに委託して処分する(③のフロン回収、④の家電リサイクル、⑧のごみ)
  6. 原状回復工事に入る

買取を原状回復の契約より後にすると、売れるはずのものが工事の中で処分されてしまいます。明け渡し日から逆算した組み方は明け渡しまでに、買取をどの順番で入れるか、閉店全体のスケジュールは飲食店の閉店はどれくらいかかる?にまとめています。

買取額と処分費を並べて「手元にいくら残るか」で比べる方法は、買取と処分の見積もりを1枚で比べるを参照してください。

よくある質問

Q. 全部まとめて1社に引き取ってもらえませんか。 A. 買取・回収・廃棄をまとめて受ける業者もあります。ただし、売れるものと処分費がかかるものを1つの金額にまとめられると、何にいくら払っているのかが見えなくなります。品目ごとの内訳を出してもらい、廃棄物の許可やフロン回収をどの業者が行うかも確かめてください。

Q. 「無料で全部持っていく」という業者に頼んでも大丈夫ですか。 A. 事業ごみを、廃棄物の許可を持たない業者に渡すと、渡した側の責任も問われます。許可の有無、書面の見積もり、産業廃棄物ならマニフェストでの委託に応じるかを確かめてください。

Q. 休憩室の冷蔵庫は、厨房の冷蔵庫と同じ扱いですか。 A. 家庭用の冷蔵庫なら、店で使っていても家電リサイクル法の対象です。業務用の冷蔵庫は家電リサイクル法の対象外で、冷媒にフロン類が使われていればフロン排出抑制法の扱いになります。銘板で確かめてください。

まとめ

  • 店の中身は8つに分けると、行き先と頼む相手が決まる
  • 最初に「自分の物か」を確かめる。リース・貸与品は売れない
  • 売れるものの査定を、捨てる手配より先に
  • 冷媒にフロン類を使う業務用機器はフロン回収と引取証明書、家庭用家電は家電リサイクル法
  • お酒は酒類販売業免許のある相手へ
  • ごみの区分は法律で決まり、産業廃棄物は店側がマニフェストを交付する

品目と台数のリストができた段階で、まとめて相談すると比較が早くなります。ご相談は無料査定・お問い合わせフォームから。当サイトは飲食店の閉店に関する情報メディアで、買取・回収は提携先へのお取次ぎとなります。

※掲載内容は一般的な整理です(確認日:2026年10月6日)。法令・制度は改正されることがあります。廃棄物の区分、委託先の要件、フロン・家電リサイクルの扱い、酒類の販売は状況によって異なるため、個別の判断は自治体の窓口・許可を持つ処理業者・所轄の税務署などにご確認ください。

閉店・移転で手放す備品、
売り方は2つから選べます

数点だけ・高く売りたい

自分で出品する

閉店・移転の備品が集まるマーケット「閉店市場」に、スマホで撮って数分で掲載。掲載は無料、売れたときだけ販売手数料15%。掲載前に運営が内容を確認します。

閉店市場に出品する →

10点以上・お店一式

まとめて引き取りの相談

厨房機器・テーブル・椅子などをまとめて手放したい方の相談窓口です。点数や時期をお知らせいただければ、進め方をご連絡します。相談は無料です。

まとめて相談する →
閉店・移転のお品物、LINEで写真を送るだけで買取査定
厨房機器・什器・備品など、1点からお店まるごとまで。
営業時間内なら当日中にお返事します。
LINEで買取を申し込む(無料)
LINE友だち追加QRコード
スマホで読み取り
LINE公式アカウント「閉店・移転買取窓口」が開きます
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次