閉店する飲食店の厨房で、いちばん台数が多いのはたいてい冷蔵庫です。縦型の冷蔵庫、作業台を兼ねたコールドテーブル、冷凍庫、客席側の冷蔵ショーケース。数えてみると5台、6台になる店も珍しくありません。
そして冷蔵庫は、売れるか捨てるかで費用の向きが逆になる機器です。売れれば代金が入り、捨てるならフロンの回収を含む処分費がかかります。1台ごとの差は小さく見えても、台数が多いぶん総額に効きます。
この記事では、業務用の冷やす機器を閉店で手放すときに、何で値段が分かれるのか、どこで判断を誤りやすいのかを順番に整理します。
値段を分けるのは「次の店がそのまま使えるか」
中古の業務用冷蔵庫を買うのは、これから開業する店や、機器を入れ替える店です。買取業者はその人たちに売れるかどうかで値段を付けます。つまり見られているのは、次の店が手を加えずに使えるかです。
| 種類 | 査定で見られやすい点 |
|---|---|
| 縦型冷蔵庫・冷凍庫(リーチイン) | 扉の数と幅、冷凍・冷蔵の区分、パッキンの状態 |
| コールドテーブル(台下冷蔵庫) | 奥行きと幅(厨房に収まるか)、天板の傷 |
| 冷蔵ショーケース | ガラスの割れ・曇り、照明、誰の持ち物か(後述) |
| 造り付け・特注の冷蔵設備 | 取り外せるか、外したあと他の店で使えるか |
サイズの考え方は単純で、多くの店の厨房に収まる寸法ほど買い手が広く、特殊な寸法や造り付けのものほど狭くなります。プレハブ式の冷蔵室のように建物と一体になった設備は、機器ではなく内装として扱われることがあり、買取の対象になるかどうか自体が業者によって分かれます。
銘板で分かること、分からないこと
冷蔵庫の側面や背面、扉の内側には銘板(型番・製造年・電源などを記したシール)が貼られています。査定の大半はここから始まります。
- メーカーと型番:同じ機種が中古市場でどう動いているかを業者が調べる手がかりになります
- 製造年:年式が新しいほど評価されやすい傾向があります。ただし「何年までなら値が付く」という統一の基準はありません。 線引きは業者ごとに違います
- 電源:単相100Vか三相200Vか。三相200Vの機器は、動力の電気契約がある店でしか使えません。 買い手の範囲がそのぶん絞られます
- 冷媒の種類:廃棄に回るときのフロン回収に関わります
銘板が読めない、剥がれている、という機器は年式の確認ができないので評価が下がりやすくなります。 査定の前に、全台の銘板を撮っておいてください。撮る角度とカット数は買取を頼む前に撮っておく写真10カットにまとめています。
「古い」「冷えない」冷蔵庫はどうなるか
古い機器は、値が付かないことがあります。それでも、無料で引き取ってもらえるのか、引き取り自体に費用がかかるのかは業者によって分かれます。「値が付かない」と「引き取ってもらえない」は別の話なので、1社に断られても他を当たる意味はあります。
冷えない機器は、多くの場合、修理にかかる費用の見込みで判断されます。買取の対象から外れることが多く、その場合は処分に回ります。
注意したいのは、「故障している」と「動作を確認できない」は違うということです。電気を解約したあとに査定を呼ぶと、正常に冷える機器でも「動作未確認」として見られます。冷蔵庫は電源を入れたまま査定を受けるのが原則です。 電気・水道を止める順番は閉店時のライフライン解約で整理しています。
売る前に、自分の物かを確かめる
冷蔵機器には、店の持ち物ではないものが混ざりやすい事情があります。
- リース契約の冷蔵庫:所有者はリース会社です。売ることはできません。扱いは閉店するときリース中の厨房機器はどうなる?を確認してください
- 飲料メーカーや酒類の取引先から貸与されたショーケース:ロゴが入ったショーケースは、貸与品であることがあります。その場合は返却の対象です
- 前の借主から引き継いだ機器:居抜きで入った店では、造作譲渡の契約で誰の物になっているかを確認します
所有がはっきりしない機器を査定のリストに入れると、あとで撤回することになります。 契約書や請求書で、1台ずつ確認しておいてください。貸与とリースで扱いが分かれる構図は業務用食器洗浄機は、閉店のときだけ扱いが違いますと同じです。
査定を呼ぶ前にやっておくこと
- 電源を入れたままにする(冷えることを見せられるのは解約前だけです)
- 庫内を空にして拭く。 食材の汚れや臭いは「劣化」に見えます
- 棚網・トレー・脚などの付属品を揃える。 欠品は減額の理由になります
- 扉のパッキンを確認する。 破れや硬化は見られる場所です
- 搬出経路の幅と段差を測る。 縦型の冷蔵庫は、扉や通路を通らないことがあります(厨房機器は「売れるか」より先に「出せるか」)
準備全体は厨房機器の査定を頼む前に、自分で用意しておく5つの情報が詳しく、査定額が下がる理由は厨房機器の査定額が下がる理由にまとめています。
業者を選ぶときのチェックリスト
冷蔵庫は台数が多いぶん、1社だけの見積もりで決めると差が見えません。 同じ情報を複数の業者に渡し、次の点を揃えて比べてください。
- 古物商の許可番号が表示されているか。 中古品を買い取る事業者には古物営業法の許可が要ります
- 台数・機種・年式・電源を同じ条件で伝えたか。 条件が違うと金額は比べられません
- 出張費・搬出費・階段作業費が、買取額と別に書かれているか
- 値が付かない機器を、無料で引き取るのか、費用がかかるのか
- 廃棄に回る機器のフロン回収を、誰がどの費用で行うか(業務用の冷蔵庫・製氷機は、捨てる前にフロンの回収が要ります)
- 当日に金額が変わる条件が、書面に書かれているか(見積もりの金額と、当日提示された金額が違ったら)
- 代金の支払い方法と時期(厨房機器を売った代金は、いつ・どうやって支払われるのか)
買取額と処分費を1枚で比べる方法は買取と処分の見積もりを1枚で比べる、業者選びの手順全体は閉店時の買取業者はどう選ぶかにあります。
この記事に「相場の数字」を載せていない理由
業務用冷蔵庫の買取価格について、公的に集計された相場の統計はありません。 検索で見つかる金額は、各社の買取実績や「最大◯円」といった上限の例で、機種・年式・状態・時期によって大きく動きます。
ここで数字を書くと、それが自分の冷蔵庫の値段であるかのように読まれてしまいます。あなたの店の目安になるのは、同じ条件で複数の業者から取った見積もりです。 それ以上に確かな数字はありません。
まとめ
- 値段を分けるのは「次の店がそのまま使えるか」。 寸法・電源・状態が見られます
- 全台の銘板を撮っておく。 年式が確認できない機器は評価が下がりやすくなります
- 「値が付かない」と「引き取れない」は別。 1社で決めない
- 電源を入れたまま査定を受ける。 解約後は「動作未確認」になります
- リース・貸与のショーケースは売れません。 先に所有を確かめる
- 廃棄に回る分はフロン回収が要ります。 見積もりで誰が行うかを確認する
台数と機種のリストができた段階で、まとめて相談すると比較が早くなります。ご相談は無料査定・お問い合わせフォームから。当サイトは飲食店の閉店に関する情報メディアで、買取・回収は提携先へのお取次ぎとなります。
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