厨房機器の買取は、依頼してから精算まで何が起きるのか|当日までの段取り

閉店が決まってから買取を頼むまでの間で、いちばん多い失敗は「遅すぎた」です。次が「何を準備すればいいか分からないまま問い合わせた」。

買取は、電話をした翌日に現金が入る仕組みではありません。問い合わせから精算まで、ふつうは1〜3週間かかります。明け渡し日から逆算しないと、間に合いません。

ここでは、実際に何が起きるのかを順番に見ていきます。

全体の流れ

段階やること目安
① 問い合わせ機器リストと写真を送る1日
② 概算の回答写真と型番から、おおよその金額が出る1〜3日
③ 出張査定現地で実物と搬出経路を見る半日
④ 見積の提示買取額と作業費が確定する即日〜数日
⑤ 契約・日程調整搬出日を決める1日
⑥ 搬出当日立会いのもとで運び出す半日〜1日
⑦ 精算現金または振込当日〜数日

③の出張査定と⑥の搬出は、別の日になるのが普通です。 「見に来たその場で持って行ってもらう」と考えていると、日程が1週間ずれます。

① 問い合わせの前に用意するもの

ここでどれだけ揃えられるかで、その後の速さが変わります。

  • 機器リスト:メーカー名・型番・製造年(銘板に書かれています)
  • 写真:機器ごとに正面と銘板。全体が分かる店内の写真も
  • 搬出経路の写真:厨房から店の出口まで、階段・エレベーター・通路の幅
  • 明け渡し日(いつまでに空にする必要があるか)

型番と年式が分かるかどうかで、概算の精度がまったく違います。 銘板は機器の側面や背面にあることが多く、動かさないと見えないこともあります。ここは早めに撮っておいてください。

搬出経路の写真は、後回しにされがちですが金額に直結します。運び出せない機器は、値段が付いていても買い取れません。

③ 出張査定で見られていること

現地では、次の点が確認されます。

  • 通電して動くか(動作確認のできない機器は評価が下がります)
  • 清掃の状態(油汚れが厚いものは、そのぶん手が入ります)
  • 年式と使用状況
  • 搬出経路と、外した後の姿(ガス・水道・電気の接続をどう切るか)

このとき、ライフラインを先に止めていると動作確認ができません。 電気・ガス・水道は、買取と原状回復が終わってから止めるのが基本の順番です。ここを逆にすると、動く機器が「動作不明」の扱いになります。

④ 見積は「差引の形」を確認する

見積書には、買取額のほかに作業にかかる費用が並びます。

  • 出張・査定費
  • 搬出・積込の作業費
  • 値の付かない機器の処分費
  • 車両費・階段作業の加算

買取額からこれらを差し引いた金額が、実際に受け取る額です。買取額だけを見て比べると、順位が入れ替わります。

そして、差引がマイナスになることもあります。 古い機器ばかりで処分費が上回る場合です。これは珍しいことではないので、見積の段階で「受取額はいくらか」を明示してもらってください。

「無料」と書かれている場合も、何が無料なのか(出張だけか、搬出も含むか、処分も含むか)は業者ごとに違います。

⑤ 契約の前に確認すること

  • リース中の機器が混ざっていないか。 リース物件は所有権が自分にないため、勝手に売れません。
  • 造作が貸主のものになっていないか。 賃貸借契約の内容によって、店に付いている設備の扱いが変わることがあります。
  • 原状回復の工事と、搬出の順番。先に工事が始まると、売れるはずのものが撤去されてしまいます。

このあたりは契約書の記載で決まる部分なので、判断に迷ったら、契約書を持って専門家に確認してください。

⑥ 搬出当日に決まること

立会いは必要です。 誰が立ち会うかを決めておいてください。

当日に起きやすいのは次の3つです。

  • 想定より運び出せない(経路の幅・階段・エレベーターの制限)
  • 残す・持って行くの線引きが現場で変わる(リストにない物が出てくる)
  • 床や壁を傷つける(養生の範囲を先に確認しておく)

3つめは原状回復の費用に跳ね返ります。養生をどこまでするか、傷が付いた場合はどうするかを、着手前に口頭でなく見積書か作業内容に残しておくと、後で揉めません。

作業が終わったら、残置物がゼロになっているかをその場で一緒に確認します。「あとで取りに来る」が残ると、明け渡しに間に合わなくなります。

⑦ 精算

支払いの方法とタイミングは業者によって分かれます。

  • 当日現金
  • 後日振込(数日〜1週間)
  • 処分費が上回る場合は、こちらから支払い

法人・個人事業として売った場合、この金額は帳簿に載ります。 廃業の年の申告に関わるので、必ず書面(買取明細・領収書)を受け取ってください。 口頭と現金だけで終わらせない、というのがここでの要点です。

いつ動き始めるか

逆算するとこうなります。

  • 明け渡し日の3週間前までに問い合わせ
  • 2週間前に出張査定と見積
  • 1週間前に搬出
  • 残りの期間で原状回復

原状回復の工事が入る場合、買取はその前に終わっていなければなりません。 ここが重なると、買い取れたはずの機器が処分に回ります。

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