原状回復の見積もりが想定より跳ねるのは、たいてい設備です|ダクト・グリストラップ・引込容量の3か所

原状回復の費用を坪単価で概算していた方が、実際の見積もりを見て驚く——という順番は、飲食店の閉店では珍しくありません。

理由ははっきりしています。坪単価が効くのは、床・壁・天井のように面積に比例する工事だけだからです。 飲食店の原状回復で金額を跳ねさせるのは、たいてい坪数に比例しない設備です。10坪でも30坪でも、撤去する排気ダクトが屋上まで通っていれば、その工事量はほとんど変わりません。

坪単価そのものの考え方は店舗の原状回復費用は坪単価いくらかにまとめています。この記事は、その坪単価から外れる3か所の話です。

① 排気ダクト — 「店内だけ」で終わらないことがある

飲食店の排気ダクトは、店舗の中で完結していません。フードから立ち上がって、天井裏を通り、共用部やパイプスペースを抜け、屋上や外壁の排気口まで続いています。

確認すべきは、どこまでが原状回復の対象かです。

  • 入居時に自分でダクトを引いたなら、その経路全体が撤去対象になり得ます
  • 前の借主のダクトをそのまま使ったなら、扱いは契約書と貸主の意向で変わります
  • 経路が共用部を通っている場合、作業時間帯が夜間・休館日に限定され、その分だけ人件費が乗ります

⚠️ ダクト清掃と、ダクト撤去はまったく別の工事です。 見積書に「ダクト清掃」としか書かれていない場合、撤去分が入っていないのか、そもそも撤去しない前提なのかを必ず確認してください。後から追加で出てくる典型がここです。

② グリストラップ — 清掃・汚泥処分・埋設の復旧

グリストラップ(油脂分離阻集器)は、閉店時に3つに分かれます。

1. 清掃 — 引き渡し前に空にする必要があります 2. 汚泥の処分溜まっている油脂と汚泥は産業廃棄物として処理する必要があり、一般の清掃とは別費用です。 マニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付を受けてください 3. 本体の扱い — 床下に埋設されているものを撤去して床を復旧するのか、残置するのかで金額が変わります

長く営業した店ほど、②の量が読めません。 見積時点で「一式」と書かれていたら、何リットル・何kgを想定した金額なのかを聞いてください。想定量を超えた分が後から請求される契約になっていることがあります。

廃棄物の区分そのものは飲食店の閉店で出る廃棄物の処分で扱っています。

③ 電気・ガスの引込容量 — 「増やしたものは戻す」

厨房機器を入れるために、入居時に電気やガスの容量を増やした店は多いはずです。増設したものは、原状回復では「戻す」対象になり得ます。

  • 電気 — 分電盤の増設、動力(三相200V)の引込、専用回路の増設
  • ガス — ガス管の口径変更、メーター容量の変更、追加の配管
  • 給排水 — 厨房用に増やした給水・給湯・排水の配管

ここが金額として見えにくいのは、工事が壁や床の中にあるからです。 撤去するには壁を開ける必要があり、開ければ内装の復旧も付いてきます。「配管の撤去費」だけを見ていると、その後ろの復旧費が抜けます。

⚠️ 業務用エアコンも同じ構造の話になります。「残す」か「外す」かで費用が逆転することがあるため、閉店時の業務用エアコンは買い取ってもらえるのかを先に読んでおくと判断が早くなります。

見積書を分解するときの5つの質問

見積もりを受け取ったら、金額の大小より先に内訳の粒度を見てください。「一式」でまとまっている行が、後から動く行です。

1. ダクトは「清掃」か「撤去」か。経路のどこまでが範囲か 2. グリストラップの汚泥処分は、どれだけの量を想定した金額か。マニフェストは出るか 3. 電気・ガスの復旧に、内装の復旧(壁・床の補修)は含まれているか 4. 残置してよいものと、撤去が必要なものの線引きは、誰がいつ決めたか 5. 想定を超えた場合、追加請求はどういう条件で発生するか

「一式」の分け方そのものは原状回復の見積もりが高い気がしたらに、範囲でもめないための契約確認は飲食店の原状回復はどこまで?にまとめています。

順番を間違えないでください

🔴 設備の話に入る前に、決めておくことが一つあります。それは買取を先に入れるかどうかです。

原状回復業者に先に発注してしまうと、値の付く厨房機器が「撤去対象」としてまとめて処分されます。 売れば現金になるものが、処分費を払って捨てるものに変わる、という逆転が実際に起きます。

買取 → 原状回復 の順で入れるだけで、出ていく金額が変わります。詳しくは明け渡しまでに、買取をどの順番で入れるかをご覧ください。

まとめ

  • 坪単価が効くのは面積に比例する工事だけ。 ダクト・グリストラップ・引込容量は坪数に比例しません
  • ダクトは「清掃」と「撤去」が別。 見積書の表記を確認してください
  • グリストラップの汚泥は産業廃棄物。 想定量とマニフェストを確認してください
  • 配管の撤去費の後ろに、内装の復旧費が付いてきます
  • 買取を先に入れる。 順番を逆にすると、売れるものが消えます

⚠️ 費用は物件の構造・契約内容・貸主の指定によって大きく変わります。この記事は確認すべき箇所の整理であり、金額の目安を示すものではありません。 実際の工事の見積もり・実施は、店舗の原状回復を専門とする施工業者にご相談ください。貸主の指定業者しか使えない場合の確かめ方は原状回復の業者は自分で選べるのかにまとめています。

閉店・移転のお品物、LINEで写真を送るだけで買取査定
厨房機器・什器・備品など、1点からお店まるごとまで。
営業時間内なら当日中にお返事します。
LINEで買取を申し込む(無料)
LINE友だち追加QRコード
スマホで読み取り
LINE公式アカウント「閉店・移転買取窓口」が開きます
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次