居抜き・中古厨房機器で開業費用を抑える|失敗しない選び方と確認ポイント

中古厨房機器が並ぶ倉庫
飲食店の開業で最も重くのしかかるのが初期投資です。なかでも厨房設備は金額が大きく、ここを新品でそろえるか、居抜き・中古で組むかで、必要な自己資金は大きく変わります。この記事では、中古で買っていいもの・避けたほうがいいものの線引きと、内見時に見るべき点を整理します。私たちは日々、閉店する店舗の設備を扱う立場にいます。どんな設備がどう傷んでいるかを見てきた側から見た注意点としてお読みください。金額や条件は物件・機器によって変わるため、最終判断は現物と見積もりで行ってください 要確認
目次

なぜ居抜き・中古で開業費用が下がるのか

居抜き物件とは、前のテナントの内装・設備が残ったまま引き継げる物件のことです。スケルトン(何もない躯体)から始める場合と比べて、内装工事・厨房設備・給排水やダクトの工事を一から作らずに済むのが最大の利点です。

とくに飲食店は、ダクト・グリストラップ・給排気・電気容量といった設備インフラの工事費が高額になりやすい業種です。これらが既に飲食店仕様で整っている物件を引き継げれば、削減効果は内装費だけにとどまりません。開業までの期間が短くなるぶん、家賃を払いながら準備する期間も圧縮できます。

一方で、居抜きは「前の店の都合で作られた店」を引き継ぐということでもあります。レイアウトが自分の業態に合わなければ、結局作り直しになり、撤去費が上乗せされるぶん割高になることさえあります。安さだけで飛びつかないのが原則です。

中古で買っていいもの・避けたほうがいいもの

厨房機器はひとまとめに語られがちですが、中古との相性は機器によってはっきり分かれます。判断の軸は「壊れたときに営業が止まるか」と「消耗が外から見えるか」の2つです。

機器 中古との相性 理由
ステンレス作業台・シンク・棚 ◎ 向く 可動部がなく、傷んでも機能に影響しにくい
ガスコンロ・ガステーブル ◎ 向く 構造が単純で、状態を目視で判断しやすい
テーブル・椅子・什器 ◎ 向く 消耗が見た目でわかる。張り替えも可能
冷蔵庫・冷凍庫 △ 要確認 コンプレッサーの寿命が外から見えない。止まると在庫を失う
製氷機 △ 要確認 内部の衛生状態と能力低下が判断しにくい
食洗機 △ 要確認 水回りの劣化・水漏れリスク
フライヤー △ 要確認 油の劣化が本体に及んでいることがある
POSレジ・券売機 × 慎重に メーカーのサポート終了・決済規格の変更に追随できないことがある
冷機(冷蔵庫・冷凍庫・製氷機)は中古の最大の分かれ目です。見た目がきれいでも、コンプレッサーの残り寿命は外からわかりません。真夏に止まれば、在庫の損失と休業がまとめて発生します。予算配分に迷ったら、作業台や什器を中古で抑えて、冷機に新品の予算を回すのが定石です。

居抜き物件の内見で必ず見る7点

内見は「きれいかどうか」を見る場ではありません。あとから金がかかる箇所を探す場です。

  • 電気容量 ── 契約アンペア・動力(三相200V)の有無。厨房機器を増やすと容量が足りず、引き込み工事が必要になることがあります
  • ガスの種類と容量 ── 都市ガスかプロパンか。号数が足りるか。前の店と業態が違うと必要な火力が変わります
  • 給排水とグリストラップ ── 清掃されているか、詰まりや臭いがないか。ここの改修は高額になりがちです
  • ダクト・排気 ── 油の付着状況、換気能力。近隣からの臭気クレームの有無も確認したいところです
  • 設備の所有権 ── 残っている機器が前テナントの持ち物か、リース品か。リース品は引き継げず、撤去される前提です
  • 賃貸借契約の条件 ── 保証金・更新料・そして退去時の原状回復範囲。「入るときは居抜き、出るときはスケルトン」という契約は珍しくありません
  • 前の店がなぜ閉めたのか ── 立地や客層に構造的な問題があるなら、設備の安さでは埋まりません
見落とされがちなのが、退去時の条件です。居抜きで安く入れても、契約上スケルトン返しの義務を負っていれば、自分が閉めるときに前テナントぶんまで含めた撤去費を負担することになります。入る前に、出るときの条件を読んでください。

造作譲渡でよくあるトラブル

居抜きでは、前テナントに造作譲渡料を払って設備を引き継ぐのが一般的です。ここで起きやすい問題を挙げます。

  • リース品が混ざっている ── 譲渡対象のはずの機器がリース会社の所有物で、引き継げなかった。譲渡リストと所有権の突合が必要です
  • 動かない機器が含まれていた ── 引き渡し後に故障が判明。引き渡し時点での動作確認と、故障時の扱いを書面で決めておくのが安全です
  • 貸主の承諾が取れていなかった ── 造作譲渡には貸主の承諾が要る契約が多く、当事者間の合意だけでは成立しません
  • 設備の一部だけ撤去された ── 前テナントが価値のある機器だけ売却し、残りが引き渡された

いずれも、譲渡対象を1点ずつリスト化し、所有権と動作の状態を明記することで大半は防げます。口頭の「全部そのまま置いていきます」を信用しないでください。

進め方の手順

  • 業態とメニューを固め、必要な設備を先に洗い出す(物件から入ると判断がぶれます)
  • 居抜き物件を探しつつ、足りない機器を中古で補う前提で予算を組む
  • 内見では上記7点を確認し、電気・ガス・排水の可否を業者にも見てもらう
  • 造作譲渡リストを作り、所有権と動作状態を1点ずつ確認する
  • 冷機など重要機器は、中古なら動作保証の有無を確認する

よくある質問

中古の厨房機器はどこで買えますか?

厨房機器の専門業者、リサイクルショップ、ネットの中古市場などがあります。当サイトは飲食店の閉店に関する情報メディアで、閉店店舗の備品については提携先へのお取次ぎという形でご案内しています。取り扱いの状況はお問い合わせからご確認ください。

居抜き物件はどう探せばいいですか?

居抜き専門の不動産サイトや、地域の不動産会社が主な窓口です。当サイトの飲食店の居抜き対応のページもあわせてご覧ください。

中古機器に保証はつきますか?

販売元によって異なります。動作保証の期間が設定されている場合もあれば、現状渡しの場合もあります。冷機のように故障が営業停止に直結する機器では、保証の有無が価格差以上に効いてきます。購入前に必ず確認してください 要確認

開業と同時に、別の店を閉める予定です。設備を移せますか?

自己所有の機器であれば移設は可能です。ただし設置には電気・ガス・給排水の工事が伴うため、移設費が新たに中古で買う費用を上回ることもあります。リース品は移設できません。備品の取り扱いもあわせてご確認ください。

閉店する店と、開業する店をつなぐ。飲食店の設備は、一方の店で不要になった瞬間に、もう一方の店にとっての初期投資圧縮の手段になります。当サイトは飲食店の閉店に関する情報メディアで、買取・回収は提携先へのお取次ぎとなります。ご相談は無料査定・お問い合わせフォームから。ご利用の流れもご覧いただけます。
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